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君と音楽
Which do you like better?
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君がミュージシャンならば共感してもらえるのではないだろうか。
僕たちは常に「君と音楽」の選択を強いられていることを。


仕事とあたしどっち取るのよ!
と、違うベクトルに並ぶ二つの要素を比べて、答えを求める。


原因を辿れば愛情、その裏返しの心配と束縛からくるだけなのだけど。


僕も今まで何度もその選択を迫られた。
一緒にいる人のことは大切にしたいし、自分の音楽への道も大切にしたい。
そんなのはみんな共通していることだ。


だけど両立ができない。させてくれない。


二者択一を美徳とする価値観は21世紀になっても消えない。
何かを捨ててもらうことで安心を得る傾向がある。


特に女性ミュージシャンはこの選択の苦しみにさらされることが多いのではないだろうか。


こういう言葉は誤解を招くかもしれないけれど、
音楽の中に占める自己実現とお金のバランスが男性と女性とでは違うからだ。


一緒にいる男性がきちんと働いている人であればなおさら、女性を家に置いておきたがる。
その心理は理解できる。
僕だって恥ずかしながらそういう束縛を何度もした。
自分は自由に音楽をやっているくせに、相手の自由は束縛する。


ただ、束縛ということ自体が不自然なことだとやがて時間が知らせてくれる。
どこか一部を強く縛っているわけだけら、反動でどこかはまた不自然に形を変えてしまう。


本来抱いてくれていた愛情ですら、数年束縛を与えれば形を変えてやがて壊れる。


遺伝子レベルで人は勘違いしていることがある。
二つのものを手に入れてはいけない、という概念だ。


僕たちミュージシャンも「君と音楽」という二者択一を経験した。
でもそれはもう時代遅れなんじゃないかと僕は思い始めた。


もうミュージシャンがスターでいなきゃいけない時代は終わったのだから。


人は弱い生き物だ。
相手には理想を求めるくせに自分は欠陥だらけ。


その二者択一の同じ痛みを持った人同士が奇跡的に出会えて恋をして、そして二人とも音楽をそばに置いておきながら、生活も充分潤っている。


それはもしかしたらスターになるより難しい事なのかも知れない。
だけど実現したら、スターになるよりも素晴らしい事なのかも知れない。


・・・僕の遺伝子も勘違いしているみたいだ。


君と僕がスターになって、そして幸せも、両方を手に入れたっていいはずだから。